ハウスメーカー選びも佳境になってくると、営業からのプレッシャーが・・・
具体的なお金の話なども本格化してきてちょっと面倒ですが、あとひと踏ん張りです。

要望を書きだす
まずハウスメーカーに見積もりを取る前に要望を書きだしましょう。
例えば、私の場合・・・
- アウトドアの趣味が多いので、土間収納を広くしたい
- セカンドリビングやヌックなどリビング以外に人が集まれるスペースを確保
- 子供部屋は小さく最低限(3~4畳)でよい
- 外に洗濯物を干さないのでバルコニー不要、ランドリールームが欲しい
- 太陽光発電と蓄電池
- リビングはキッチンを入れて15畳以上
- キッチン付近にパントリーが欲しい
- 庭はあっても無くても良い
- トイレは一つでも良い
- デザインにはこだわらず、大きな窓や吹き抜けなどは不要
- 高気密、高断熱の家にしたい(UA値0.6以下、気密測定実施、C値はできれば0.5以下)
- 外の空気を直接入れる第三種換気は嫌
こんな感じですかね。
なんか、建築士試験の製図試験みたいですね。
図面化する
自分でできればそれでもいいですし、最初に声をかけたハウスメーカーにつくってもらってもいいでしょう。
最近だと、ココナラなどのようなスキルサービスで専門の人にちゃちゃっと作ってもらうのも手です。
敷地が無いと作れないという人もいますが、敷地はまったく考えずに図面を描いてもいいですし、どうしても必要ならテキトーな敷地を仮で決めて図面を作りましょう。
上記の要望を踏まえて私が作った、仮想我が家の図面はこちら

玄関を入るとすぐに1畳のSIC(シューズインクローク)、玄関は小さいですが、SICからも家の中に入ることができ、コート掛けスペースもあり、アウターやアウトドア用品などはここに収納可能
脱衣所は小さいですが、リネン庫がありタオル類などはしっかり収納でき、階段を登るとすぐにランドリーがあるため家事動線もまずます
要望のパントリーもキッチン裏にしっかりと設置
二階へのアクセスはリビング内階段ですが、適度距離感にしています。
また階段ホールはフリースペースとなっており、セカンドリビング的に利用できる空間です。
納戸と書かれているところはファミリークローゼットで家族の衣類などをまとめて収納
「仮プラン」と書かれているところは、新築当初は壁を設けずにフリースペースと一体的に使用する計画です。一番奥に家族全員分の布団を敷き詰めて寝室に、子どもが大きくなったら間仕切りを付けて・・・子供が増えたら人数に合わせて部屋を細かくすることが可能なようにフレキシブルにしています。
自作なので、当然要望はすべて反映されていますが、敷地形状などによってはこの通りにはできませんので、あくまでも見積もり合わせのための図面です。
ハウスメーカー各社の見積もり大公開
では、先ほど作成した図面と条件で各ハウスメーカーから見積もりをもらいましょう。
これだけ条件を揃えても、「当社だと標準で床暖房が入っています」とか「太陽光は提携業者で入れたほうが安くなるのでリースにしました」とか「全館空調の設備スペースが必要なので間取りを一部変更しました」などなど、まったく同じ条件での見積もりにはならないので、嫌になっちゃいますね。
とはいえ、だいぶ条件は整ってきたはず
最終的に決めたのは一条工務店

職場の提携割引が使えたので、それが使えるi-cubeという商品になっています。
太陽光と蓄電池がパッケージになっているのと、全館床暖房や第一種換気であるロスガードも標準です。
更に、サッシもすべてガラスが3重のトリプル樹脂
高気密高断熱のパイオニアだけあって、この辺の装備は充実
気密測定なども標準でやってくれますし、間取り次第ですがUA値0.5、C値0.4くらいにはなるそうです。
ただし、網戸などはオプションですし、一条製品以外の住宅設備を入れられない(入れられても追加費用)
換気システムのための設備スペースも半畳程必要
人気のため、見積もり時点では細かいオプションなどは整理せず、坪単価いくらでざっくりと計算されてしまいます。
注文住宅であれこれやりたい人はプラス100から200万くらいになる可能性はありそう
新進気鋭のアイ工務店

ミサワホームの方が独立して作った会社らしく、ミサワホームに似た空間を立体的に使ったデザインが目立ちました。
標準でトリプル樹脂サッシにするなど、高気密高断熱ではありますが、やはり一条工務店よりは若干劣り、全館空調や床暖房はなし。
ホールにエアコンを設置するなど、自分でうまく全館空調を考える必要がありそうです。
一条工務店の対抗馬としてあげられることが多いヤマト住建

ヤマト住建は全館空調が売りで、通常のエアコンを設備室に設置してダクトで家中に送風します。
そのため、設備スペースが一畳分必要です。
一条の全館床暖は冬はいいですが、夏は全館空調がいいですよね。
高気密高断熱が狙えるエネージュNEWという製品ですが、これでも一条工務店よりは若干性能は落ちるそうです。
ヤマト住建は住宅設備などは個別に積み上げていくスタイルなので、カップボードなどを追加していくとこの金額からどんどん上がりそうではありました。
キリンさんでおなじみのアキュラホーム

木造ながら大空間を確保できるのが売りのアキュラホーム、キリンさんのCMでお馴染みですね。「しあわせ家づくり計画書」というネーミングもナイスです。
展示場ではキリンさんのおもちゃをもらい子どもも満足、こういうのは意外とポイント
最近、全館空調を始めたそうですが、ヤマト住建とは違い小屋裏(天井裏)に業務用エアコンを設置するタイプ。
設備スペースが不要なのはメリットですが、市販エアコンではなく特注のエアコンなのでメンテナンスが大変そうです。壊れたらどうなる・・・?
地熱床暖を採用しているユニバーサルホーム

地熱床暖という地面の熱を利用した床暖房を採用しているのが特徴
地熱を利用することから普通の床暖房よりコストは安いですが、1階にしか導入されません。
今までのハウスメーカーに比べるとローコストメーカーに分類されますが、やはり長期優良住宅の認定が取れるくらいの高気密高断熱にするとそれなりの価格に・・・
サッシや換気システム導入により高額なオプションが設定されています。
温かい空気は上に行く性質があるので、一階だけに床暖がある地熱床暖の考えは好きでした。
デザイン性の高いアールギャラリー(アールプランナー)

山崎育三郎さんのCMが印象的なアールギャラリー
デザイン性が高く、細部までこだわった設計や意匠が売りですが、私が重視している高気密高断熱はあまり得意ではありません。
ユニバーサルホーム同様、サッシなどが高額なオプションとなり足を引っ張ってしまっています。
土地探し中に縁があった木下工務店

並行して行っていた土地探しの際に、縁があって見積もりを依頼したのが木下工務店
高気密高断熱にするための断熱材アップグレードや1種換気システムの導入などにも対応してくれましたが、価格は他と同じような感じになりました。
制震ダンパーなどが標準で着くのは良かったですが、とりわけ大きな特徴も無く・・・
SUUMOカウンターで紹介されたアエラホーム

住宅業界で設計をしていながら、あまり馴染みがなかったアエラホーム
スーモカウンターで紹介されたので、行ってみました。
自宅近くには営業店舗が無く、ちょっと遠かったんですよね。
オンラインが増えたとは言え、契約後は何度も打ち合わせに通うことになるので家から通いづらいのはやっぱりマイナス
高気密高断熱が売りのハウスメーカーですが、全体的な価格はやや高め
全館空調などもオプションとなり、見積もりをもらった会社では一番の高額になりました。
まとめ
こちらで図面を作成して、細かい仕様を伝えての見積もりでしたが、価格に大きな差はなかったですね。
結局、同じような性能で同じ間取りの建物を建てる場合は、同じくらいの金額になるのでしょう。
ここで紹介した以外にも、住友不動産の注文住宅も見積もりを取っていますが、似たような感じでした。強いて言えば、住宅設備が豪華でしたがその分高額、換気システムなどもオプションでした。
これだけ条件を揃えてもカーテンや照明がオプションか標準か、補助金がいくらもらえるか(補助金は毎年要件が変わるため注意)、など各社で統一されていないので単純比較が難しいです。
とは言え、できる家の性能や間取りは似たり寄ったりなので、ここまでやれば比較は簡単そう。
性能は一条工務店が一番、アイ工務店とヤマト住建も〇、他は長期優良住宅レベル
気密測定は一条工務店とヤマト住建以外はオプション
価格は結局どこも同じくらいになりそうだけれど、一条工務店が一番安そう
ただし、住宅設備は特注のものを入れられない
一条工務店は全館床暖、ヤマト住建は市販エアコンによる全館空調、アキュラホームは業務用エアコンによる全館空調、ユニバーサルホームは一階のみ地熱床暖
会社規模や歴史なんかも今後のアフターを考えると大切ですね。
もちろん、長い付き合いになる担当者との相性なんかも大切
結果、最も性能が良くて、金額も安かった一条工務店に決めました。


コメント