高尾住まいは要注意、一級建築士が教える水道管凍結対策
高尾に移住して3年が経過しましたが、やっぱり冬は冷え込みます。
昔から住んでいる方にとっては普通のことでも、移住者からすると大変な面がありますね。
そういったことの一つに水道管の凍結があります。
水道管の凍結は首都圏でも要注意
「水道管の凍結」なんて聞くと、北国、山間部のことのようですが、実は都心部でも非常に多く、よく相談されます。
こちらは東京都水道局のホームページですが、冬は水道管の凍結に注意するようにアナウンスされていますね。
東京都以外でも、九州や四国地方でも同じように注意喚起されており、沖縄県以外ほぼすべての都道府県で起こるトラブルなんです。
高尾エリアは水道管の凍結に注意が必要
都心部や暖かい九州地方でも凍結するくらいなので、高尾ではもっと注意が必要です。
高尾エリアがある八王子市と港区では平均気温は1~2℃違います。
高尾山の麓である高尾エリアではさらに低いことが予想されます。
では、具体的にはどのくらいの気温から注意が必要なんでしょうか?
マイナス3度から凍結に注意
水が氷る温度が0度と言うのはみなさんご存じかと思いますが、水道管の凍結は-3度から危険と言われています。
そして、水道管の凍結には気温意外にも風速や風向きも影響します。
同じ気温の日でも風が強ければ体感温度が低いように、水道管に強い風が当たるような場合は凍結のリスクが高くなります。
高尾では12月から3月は水道管凍結に要注意
水道管の凍結温度がわかったので、次は高尾エリアの気温を見て行きましょう。
こちらが気象庁が発表している過去の八王子市の気温データです。
これによれば、八王子市で最も最低気温が低いのが1月で-1.8度、次いで2月の-0.8度が二番目に低い最低気温です。
あくまでも月ごとの平均値ですので、1月の最も寒かった日は-1.8度よりも低いです。
これらの事を考慮すると季節では12月半ばから3月半ば、気温で言うと、八王子の最低気温が4度以下の日は水道管の凍結に注意した方が良いでしょう。
水道管凍結の対策
水道管凍結は気温によって引き起こされるものなので、事前に準備がしやすいです。
冬の訪れとともにしっかりと対策をしましょう。
対策① 水道管の保温
最も簡易的で、且つ効果的なのが水道管の保温です。
水道管にタオルや雑巾などの布を巻くだけで有効です。
予算があれば、ホームセンターなどで売っている保温材を巻くのもさらに良いです。
保温する場所は、屋外に露出している水道管や給湯配管、メーターボックスなどですが、北側に配置されているものや風が当たる部分が凍結しやすいので、こういった部分を重点的に保温するといいでしょう。
メーターボックスは忘れがちですが、隙間があるので意外と凍結しやすい部分です。
ボックス内にビニール袋に入れた布や新聞紙を敷詰めておくとよいです。
アマゾンや楽天でも保温材は売っていてかなり安いです。
対策② 水道管の水抜き
こちらも費用を掛けずに行えるものです。
少し手間はかかりますが、水道の元栓を締めて、蛇口を開けて、水道管内の水をすべて抜いてしまうという対策です。
水が無ければ、当然、凍結もしませんね。
寒い日は給湯を入れても中々お湯が出ませんが、あれはもともと水道管に在った冷たい水が出てくるからです。あの水をすべて出してしまいましょう。
注意事項としては、再び使用する時は、少し水を出しっぱなしにして汚れを落とす必要があるのと、全部抜けきらないと、部分的に凍ってしまうことがある点でしょうか。
対策③ 水を常に出しておく
こちらもメジャーな方法ですね。
実際に、高尾山麓のレストランや山小屋のトイレなどでは水をチョロチョロ出しっぱなしにしているのを見かけます。
水が流れていることによって、凍結する温度がかなり低くなります。
ただし、水道代には注意が必要なので、長期間の対策としては不向きでしょう。
対策④ 寒冷地仕様の住宅にする
建築士として最もオススメできる対策がこちらです。
サーモスタッドと言われる電熱線を水道に巻くのですが、電気が流れることによって暖かくなり凍結しなくなります。
ただし、初期費用も電気代も掛かるので、高尾エリアでここまでするかは微妙なところです。
電熱線まで行かなくても、業務用の高性能断熱材をきれいに水道管に巻くというのもおすすめですので、心配だけど費用は節約したいのであれば設計士に相談してみましょう。
アマゾンや楽天でもヒーターと保温材が購入可能です。
水道管が凍結してしまったら
最後に、万が一水道管が凍結してしまった場合の事をお伝えします。
水道管の破裂に注意
まず、水道管が凍結した場合、当然、断水となります。
寒い日の朝に蛇口をひねっても水が出なければ凍結を疑いましょう。
日の出と共に出てくればよいですが、怖いのはここから・・・
水は凍結すると膨張するので、稀に水道管が破裂してしまうことがあります。
水道管が破裂してしまうと水が止まらなくなり、大変です。
上階であれば、下階にも水が流れてしまいますし、床下が浸水してしまうと、床材や基礎、柱などの構造部のカビによる劣化やシロアリの発生につながることもあります。
凍結している場合は無理に蛇口をひねらずに、凍結部を見つけタオルと被せてぬるま湯を掛けるなど、ゆっくりと解凍しましょう。
急に熱を加えた場合も水道管の破裂の危険性があります。
万が一水道管が破裂した場合は、慌てずに水道の元栓を締めて、専門業者を呼びましょう。
最近は悪徳業者も多いので注意が必要です。
こちら行政の指定業者などから連絡するといいでしょう。
水道管の破裂は火災保険が適用可能
水道管の破裂は最悪の事態ですが、火災保険が適用となる場合があります。
火災保険の特約で、水道管凍結修理費用保険金と言うものがある場合があり、この特約をつけておくと、水道管破裂の修理費用が出ます。
また、水漏れによって建物や家財に被害が出た場合も、水漏れ補償がでる場合があるので、保険内容を確認しておくといいでしょう。
まとめ
高尾エリアに引っ越して身をもって厳しい寒さを体験していますが、もっと寒さの厳しいところはたくさんあります。しかし、寒冷地ではしっかりと対策が取られているものの、一応都内でもある高尾では、あまり寒さ対策をしっかりとしていない人も見受けられます。
山の近くの街でもあり、厳しい寒さの朝も多いので、水道管の凍結には注意しましょう。
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