【家づくり⑤】超重要な土地探しについて建築士がポイントを教えます

雑記

次は、具体的な土地探し

大金が動くターンで、緊張しますね

大まかなエリアは以前の記事の時に決めていたと思うのですが、いよいよ購入する土地をピンポイントで探します

【家づくり②】ハウスメーカーと土地のどちらから決めるべきか
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私たちがどのように土地を探したか順を追って紹介します

すでに土地を持っている方は飛ばしてもらっていいですが、チェックポイントは参考になると思います

土地の安全性

一番気にしたのが安全性

地名に水が付くエリアは水害のリスクが高いなど、巷でも色々言われていますが、我々建築士はもう少し具体的に見ていきます。

ハザードマップ

まず見るべきは自治体のハザードマップ

ここでわかるのは主に水害に対する安全性です。

こちら八王子市のハザードマップ

上部に凡例があり、黄色や紫の着色が浸水想定区域浸水深さです。

自治体によっては浸水時間が書かれていたり、河川毎や災害の種類によってマップが分かれていたりする場合もあります。

浸水想定区域の土地は当然注意が必要

ただ、マップはざっくりと指定しているので、浸水深1m以下であれば土地の状況を見て買うのもありかなと思います。
その場合は家側で対策は必須ですが・・・

ハザードマップには土砂災害警戒区域や家屋倒壊等氾濫想定区域なども記載されています。

土砂災害特別警戒区域は、居室(人が生活する部屋、リビングや寝室など)を計画することに制限がかかるので、避けました。

ハザードマップには避難所や給水所なども書かれているので、参考にするといいでしょう。

浸水実績図

同じく水害については過去の水害の記録もチェックしました。

東京都ではこちらのページで過去の水害記録を公表しています。
「浸水実績図」などと呼ばれるものですね

画像は高尾駅付近ですが川が蛇行している部分で氾濫が起きている実績が確認できます。

八王子だと浅川は何度か氾濫しているのと、川から離れたエリアでも内水氾濫(下水があふれる水害)はちょこちょこ起きていますね。

ちなみに、過去に水害があったエリアでも堤防工事などで今は安全になっているエリアもあります。

液状化予測図

液状化は砂質地盤で条件が整った時に起こることがわかっています。

東京都のこちらのページでは液状化のリスクをマップにまとめて公表しているので参考にしましょう。

八王子市は武蔵台地の奥に位置し、砂質地盤は少なく液状化のリスクは全体的にほとんどありません。

埋立地や河の河口付近などで砂地の場合はリスクが高いです。

地盤調査結果(東京の地盤)

こちらのページで地盤調査結果も見れます。

こちらも参考になりますが、専門的な知識が無いとわからない部分も多いですね。

土地の高低差

土地の高低差についても見ていきましょう。

東京都では崖条例(建築安全条例第6条)があり、高低差2mを超えると崖となります。崖がある場合は擁壁設置や離隔距離が必要になるので家づくりに制約がかかります。

特に擁壁の場合は古いものは安全性が確認できないので避けたほうが無難です。

開発などで造っていて、許可証や図面がある擁壁ならとりあえず問題は無いですが・・・

八王子だと崖地が多く、土地探しが難しかったです。

道路状況

土地の良し悪しは接する道路状況で変わるのは常識です。

道路に見えても建築基準法の道路になっておらず、接道義務が果たせない(建築不可または特別な許認可が必要)ことも結構あります

建築基準法の道路とは(横浜市HP)

また、私道などだと管理にお金が掛かったり、将来的に整備されないなどのリスクがあります。

それから、消防車や救急車などの緊急車両が入れるかも大切です。

法律上の道路の位置づけがあっても現況が細くて消防車などが入れないと火災時に消火活動に支障がでます。

当然、そんな土地はなるべく避けたいですね。

土地の将来性

次は土地の将来性

これは不動産会社の方でも意外と知らない部分ですが、一般の人でも調べることができます。

都市計画マスタープラン

まず見るべきは自治体の都市計画マスタープランです。

名称は各自治体で様々だったりします。

例えば八王子市の都市計画マスタープランでは、八王子駅南口集いの拠点の整備や八王子IC北に地域拠点と産業拠点をつくる(イオンモール)、楢原交差点や小田野周辺に生活拠点をつくる、北西部の採掘場で新たな土地利用を検討する(物流施設?)、高尾駅の南北自由通路の整備、といったことが書かれています。


中心市街地の将来像(第三次八王子市都市計画マスタープランより)


片倉にできるミライテラスのことがしっかりと書かれています。


甲の原体育館の機能拡充などを予定しているそうです。


都営中野アパートの建て替えがあり、それに際して生活支援サービスなどが強化されるようです。

他にも、新しい道路の整備や多摩モノレール延伸のルートの構想なども書かれていますね。

結構、見ていて楽しいですし、意外と知らないこともあったりします。

これを見て私たちが注目したのはやはり滝山町のイオンモール、それから子安町の医療刑務所跡地の集いの拠点(ミライテラス

イオンモールは電車のアクセスが悪いですが、BLTやモノレールの延伸計画の終点でもあり、イオンの集客性が高ければ交通網が整備される可能性はあります。

子安町はもともと八王子駅に近いですし、京王片倉、少し距離はあるもののJR片倉にも行けるので交通網はすでに良いです。

こちらもモノレールの延伸計画が片倉を通るのと、八王子南バイパスも近くを通る計画です。とくに南バイパスはすでに途中まで整備されてきており、実現も近そうなので、片倉町や緑町は一気に利便性が向上するかも・・・

ちなみに、都心部になりますが、東京都港区の都市計画マスタープランなどには、地下鉄新駅の構想や、虎ノ門バスターミナルの整備計画、リニア開業に伴う都心部・品川地下鉄構想などが普通に書かれていたりします。

都市計画図

合わせて都市計画図も見ときましょう

都市計画図に書かれている用途地域は、建てられる建物の用途を規制するもので、将来的にマンションや商店が建てられるかどうかや、近隣にどういった施設が建つ可能性があるかがわかります。

土地をどれだけ活用できるかがわかる建蔽率や容積率、八王子南バイパスのような都市計画道路などの各種計画も載っています。

土地の形状

やはり整形がいいとされ、幅5m以下の細い土地や高難易度テトリスのような変な形の土地は避けましょう。

我が家の場合、一条工務店なので断熱材ぎゅうぎゅうで外壁の厚さがあるため、間口6m以上で探しました。

クレーン作業もあるため、前面道路の幅も5mは欲しいと言われ、土地探しの難易度が爆上がりしました・・・

もちろん、近隣状況も大切です。お隣が空き家などでは害虫や火災のリスクがあります。近隣に迷惑施設が無いかなどもチェックしましょう。

土地の探し方

最後に、土地の探し方ですが、基本的にはスーモなどの情報サイトで見ていきましょう。

不動産各社、独自網で非公開土地の情報があったりするので、自分で管理できるだけ、何社か個別に依頼するのもいいでしょう。

それから、ハウスメーカーにも探してもらいましょう。

不動産会社から直接ハウスメーカーに情報が来ることもあります。

あとは、足で探すのも有効です。
不動産会社を使って、空き地の所有者に手紙を送ってもらったこともあります。
確率は低いですが、こういった地道な努力が土地探しには必要だと思いますね。

まとめ

土地探しはハウスメーカー選びよりも慎重にかつ力を入れました。

ここで書いた項目だけでも満点の土地はおそらく無いと思うので、どこを妥協するのかが大切になってくるかと思います。

一条工務店の場合、壁厚やクレーン作業で選択できる土地がさらに限られましたが、何とか半年くらいで見つけることができました。

まさに土地は縁ですが、妥協したくない反面、どこかで我慢して折り合いをつける必要がありますね。

一条工務店の場合、水害対策住宅などもあるので、その辺は土地の方は妥協できるポイントなのかも。

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