突然ですが、母が若年性認知症と診断されました。
と言っても、診断されたのは結構前でその後にも色々な経緯がありました。
病名は前頭側頭葉変性症というもので、難病指定されています。
この病気は若年性認知症では2番目に多く、決して少なくないのですが、詳しい原因もわからず、ネットでも情報があまり出ていないので、自分もブログに載せようと思いました。
不妊治療とダブルパンチで辛いですが、なんとか頑張りたいと思います。
前頭側頭葉変性症とは
今や世界中で社会問題にまでなっている認知症
その認知症の中の1つが「前頭側頭葉変性症」です。
薬が無いため難病に指定されています。
前頭側頭葉変性症の特徴
前頭側頭葉変性症は若年性認知症の1つであり、4大認知症(アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症)の1つです。
全認知症の中で4番目に多く、若年性認知症では2番目に多いそうです。
以前は「ピック病」と言われていましたが、病名が「前頭側頭葉変性症」に変わりました。
そして、前頭側頭葉変性症が原因で起こる認知症は3つのタイプに分かれます。
どのタイプかで予後やリハビリの方針が変わってくるので、見極めが大切です。
病気の詳しい話はこちら
前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症のタイプだと、抑制が利かなくなります。
万引きや信号無視などの反社会的行動をする他、毎日同じ時間に同じものを食べるなど、同じ動作を繰り返す常同性も見られるそうです。
意味性認知症
意味性認知症のタイプだと、言葉の意味が分からなくなります。
例えば、富士山の写真を見せても、「山」ということはわかっても「富士山」という単語が出てきません。
アルツハイマー型認知症ではヒントを出すことで思い出したりしますが、忘れている訳ではないので、ヒントを出しても答えられません。
私の母もこの症状が強かったです。
進行性非流暢性失語
進行性非流暢性失語のタイプだと、会話がスムーズに出てこなくなります。
吃音の様にどもってしまったり、助詞が抜けてしまったり、発音や文法がおかしくなるのが特徴です。
原因と治療法
前頭側頭葉変性症の原因は脳の前頭葉や側頭葉にタンパク質のゴミが溜まることです。
このたんぱく質のゴミがなぜ溜まるのかは分かっておらず、遺伝ともそうでないとも言われています。
薬や治療法もないため、対処療法が中心になりますが、常同行動の特徴を活かしてケアするルーチン化療法などが有効と考えられています。
例えば、毎日同じ時間にお風呂に入る、とか、同じ曜日にデイケアサービスに行くとか、良いことを習慣化していくと症状が進行しても習慣化したことは続けられます。
余命は3年から12年と幅があり、個人差が大きいのも特徴のようです。
母が前頭側頭葉変性症になった体験記
まだまだ働き盛りの50代の母が急に認知症と診断されてとても驚くと同時に悲しくもありました。
仕事に支障が生じ始める
一番最初に起こったのは仕事の変化でした。
元々、物事を細部まで細かく見ている性格ではないので、家で話している分には変化は感じませんでした。
しかし、仕事では細かいミスが増えてきていたようで、職場内では心配する声が上がっていたようです。
ちなみに母は介護の仕事をしており、本人も職場の同僚も認知症についての知識や経験は豊富だったことも早期発見につながったのだと思います。
精密検査と認知症診断
職場で異変が発生してからも精密検査は避けていた母ですが、頭痛がするということで総合病院で精密検査となりました。
MRIの結果、脳の萎縮が見られ再検査になります。
そして再検査の結果、前頭側頭葉変性症と診断されました。
脳の萎縮自体は年相応とのことで、萎縮自体はそこまで進んではいないようでしたが、今後も継続した検査と認知症のリハビリや細かい検査が続きます。
単語が出ない、本が読めない、テレビが見れない
ここまで母との会話ではあまり違和感は感じませんでしたが、会話のテンポが速いと付いていけないような時はたまにありました。
それから、趣味だった読書をしなくなりました。
また、テレビも付けていることが多いですが、テレビ番組を見ることはほとんど無いようです。
会話の中ではあれだけ好きで本や映画も見た「ハリー・ポッター」が何だか分からないようでした。
また、昔何度も行った別荘地の名前も出てきません。
ただ「温泉」と言うことはわかっているようでした。
それから、時間が「近い」という言葉の意味も分からないようでした。
「時間が近くなった連絡する」とラインで送ったのですが、「何に近いの?」と時間軸に対する「近い」という言葉の使い方がわからないようでした。
元々、固有名詞にはあまり興味がないタイプなので、そんな名前なんていちいち覚えていないと言えばそれまでですが、何のことかわかっていない様子で、認知症の怖さを思い知らされました。
出来ることもたくさんある
若年性認知症である前頭側頭葉変性症の特徴でもありますが、身体は若く、比較的元気です。
また、アルツハイマー型認知症とは違い記憶や空間を認識する能力はあるので、いつもと同じ場所であれば一人で出歩いて帰ってくることもできますので、症状が進行しても徘徊などの心配はあまり無いそうです。
母の場合は毎週2回通っているスポーツジムと月に1回言っているゴルフコースは今でも継続して続けており、本人にとってもいい刺激になっているようです。
仕事の内容は職場の配慮で変わったようですが、通勤自体も問題無く行えており、定年までは勤めたいと本人も言っているほど
たまに会話がかみ合わないことがありますが、文章で残るラインならほとんど違和感なくコミュニケーションが取れているので、ゆっくりと会話すると良いのかもしれません。
また、漢字ドリルや頭のマッサージ機を買ってあげたのですが、本人も認知症のことを自認していて、少しでも良くなるように続けているようです。
今後の事
常同行動が一つのキーワードになる認知症のため、悪い習慣を辞めて良い習慣に置き換えていきたいと思っています。
最近は甘いものを欲しているようで、仕事帰りにコンビニでスイーツを買うのが日課になっていたようです。糖分は認知症を進行させるのは本人も知っており、辞めたいのにやめられない状態でした。
しかし、母に直接釘を刺して、仕事終わりにマメにラインをしたところ、自発的にお財布を家に置いていき、スイーツ断ちをしたようです。
北八王子のチョコレートショップ コンデトライ(KONDITOREI)
お財布を取り上げると万引きに走る場合もあるので、どうしようか心配していましたが、とりあえず自力で辞めれたようなので一安心
今後も、悪い習慣は理性が働く今のうちに辞めて、良い習慣を増やしていくように促したいですね。
それから、あまり臨床事例が無い認知症なので、認知症介護サポーターや母の職場の人などと連携を取りながら対処して行こうと思っています。
障害者手帳を受けるタイミングや介護サービスの利用なども考えていきたいです。
まとめ
親の介護はとても大変ですが、子育てが始まる前に介護が始まるとは思っていませんでした。
妊娠8週心拍確認で念願の不妊治療クリニック卒業、そして母子手帳を貰ってきた
ただ、遅かれ早かれ通らないといけない道です。
辛い不妊治療をずっと続けているので、二重苦三重苦ですが、前向きにやって行こうと思います。
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